きっとハルカは、わたしの中の、唯一の「白」だから。
「それだけが、真っ白だったんだよ……」
ぽたり。ぽたり。ひとつぶ、ふたつぶ、あっさりとあふれ出したわたしの涙は、彼女のように蒼いのでしょうか。
「…雪音、俺は今でも雪音のこと…「だからね、」
いちばん聞きたくて、聞きたくない言葉が紡がれるであろう、その時の前に、ハルカをさえぎって。
ああ、神様。こんなにもずるくて汚いわたしが許される日が来るのでしょうか。いっそ、許されなくてもいい。堕ちていってしまってもかまわないから。
「ハルカ、お願いがあるの」
「…なに?」
漆黒の、くもりのない、透きとおる瞳がわたしをまっすぐ射抜く。
『手、つないで?』