走ってきた後のように、両ひざに手をついて、荒々しく息をはいて、また吸いこむ。そして、すぐにわたしのもとへ、向かってくる。
逢いたくなかった、今いちばん逢いたかった、わたしの幼馴染。
「ハル…「すっごい探した!この前も逃げられるし!つーかこないだもそうだったけど雪音それ誰にやられた!?俺が話つけて…」
「ハルカ、あのね」
さっきのハルカみたいに、深く息を吸いこんだ。すぐに震えごと吐きだす。
…バイバイ、臆病だったわたし。
「わたしはとても汚いの。汚い感情ばかりできれいになんてなれないの」
きっと、彼女もわたしも同じ。彼女はわたしを、わたしは彼女を、見下している。変えられない。わたしは空っぽのまま。きれいになんてなれない。
『でもね?…ハルカを想う気持ちだけが真っ白だった』