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その後はさんざんだった。彼女といつもの子たちに顔を叩かれ、お腹を蹴られ、膝も擦りむいた。


けれど、
あの言葉を言った瞬間、彼女の顔が蒼白に変わり、目を見開いて、涙をひとつぶ、流した。透明なはずのそれは蒼く光っていた。でもそれはきっと、本物じゃないの。

きれいなはずのあの子を、はじめて、きれいだとは思えなかった。


わたしははじめてあの子に勝てたのかもしれない。でも、そんなことはどうでもいい。彼女はきっと、もうわたしの前には現れない。これが最後。

どうでもいいのです。



そして今、彼女たちに呼び出された屋上にボロボロの姿のまま、しゃがみ込んでいる。



「ーーー…ゆきね、」



キィ、と錆びた金属音を立てて、屋上のドアが開いた。聞きたくなかった、すこしかすれた、いとおしい声。



「ハルカ……」