そんなことを思い出したから思わず笑みがこぼれてしまう
それを見た千秋が不思議そうにこちらを見る
その顔を見てまた笑みがこぼれる
「人の顔見て笑うな!」
千秋は恥ずかしかったのか目線を私からそらした
「ごめんって!千秋の顔見たら思い出しちゃってさ、中学生の頃のこと」
千秋は再びこちらを向き何かを言おうとしていた
「あのさ…」
「あら!まだいたのね、遅刻するわよー」
私の母が重そうなゴミ袋を両手に持ちながら玄関から出てきた
「わかってるから大丈夫だよ!いってきます!」
私の返事と共に千秋も小さくお辞儀をした
そう言えば千秋は今何を言おうとしたんだろう…
気になる…
「千秋、今 何て言おうとしたの?」
千秋は一瞬驚いたような表情をして
「んー…何でもない」
と言いながら歩き出す
気になるじゃんか…