ー図書室ー
ーキーンコーンー
「あ、ちょうどチャイムがなった!」
「彩菜…」
「何?」
「無理してない?」
「え?な、何で?」
「ホントに、ただの貧血?」
「ほ、本当だよ?なんにもないよ!」
「あたし達、幼稚園からの仲だよ?なんか、いつもと違う感じがしたんだけど…。気のせい?」
「葵……き、気のせい…だよ…。」
泣きそうになった。
ウソつくのは嫌いだな…。
「彩菜…分かった。もうイイよ。」
「あ、葵?」
「あたし、そんなに役立たず?」
「え?」
「ゴメン。彩菜がなんか隠してることは分かったんだ。でも、あたしにだけは、話してほしかった。本当はあたしから言わなくても、言ってくれると思ってたの。でも、早く力になりたいと思ったんだよ。あたしじゃ、ダメだった?
ねぇ!」
「葵…。ゴメンなさい…ゴメンなさい…。」
もう限界だった。
泣いてしまった。
「あ、彩菜!ゴメン!無理しなくてイイから!ゴメンね!」
「ううん。そうだよね…絶対、誰にも言わないでね…。
あたしね…
あと、半年しか、生きられないんだって。」
「……え?…ウソ…でしょ?」
「ウソじゃないよ…。」
「え?だ、だって…昨日まで一緒に…遊んで…」
「うん。あたしも、そう思ってたの…。葵、あたし、みんなと卒業出来ないんだって…。」
「彩菜…夢は?あんた、夢あったじゃん!ずっと、幼稚園の先生になりたいって言ってたじゃない!」
「うん…でも…もう無理なんだよ」
「そんな…。凌君には…もう言ったの?」
「言えるわけないよ…だからね、決めたんだ。」
「え?もしかして…」
「凌と…
別れようと思う…。」