「璃華瑠ちゃん。起きて。」

目を覚ますと薄黒い空が見えた。

っ!!

「ひやぁぁぁ!食べないで。」

さっきの光景が深々と蘇ってくる。

「大丈夫だよ。璃華瑠ちゃん。」

「ゆ、結木さん……」

「大丈夫?血、吐いてたけど。」

結木さんは首を傾げる。

「きやぁあムゴッ。」

「コラコラ大声出したら、彼奴が来るよ」

結木さんは私の口から手を話す。

「ごめんね。」

「結木さん右腕が……。」

「うん。だって青鬼強いし、足速かったから。もがれちゃった。」

舌を出して笑っている。

茶色いカーディガンが服を赤くしていく

「血が……止めないと!」

「っ!」

私は上に着ているジャージを脱いで止血

した。

「んーと。大丈夫大丈夫。ほら、平気。早く移動して隠れようか…。」


私と結木さんは立って歩き出した。

「結木さん!!」

結木さんは痛みで顔を歪ませていた。

やっぱり大丈夫な訳じゃなく私が肩を貸

す状態で歩くことになった。

「あの、洞窟に隠れましょう。」

「璃華瑠ちゃんごめんね。」

私達は洞窟へ入った。