「雅紀、続きを」


「好きだ」


「え?」


「白石のことが好きだ。もうずっと前から好きだった」


いつ、白石のことを好きになったのかは分からない。だけど、白石と付き合うようになってから、俺の心は変わった。


白石への想いは、募っていった。


「うそぉ……」


両手で口元を覆う白石。


「嘘じゃない。マジだから」


「え?だって、今まで一度も好きって言ったこと……」


「あ、うん。それはなかったよな……照れくさくてそのゴメン」


白石から目を泳がせる俺。


「もう……早く言ってよ。あたし、今まで雅紀が無理に付き合ってくれてると思って、記念日とかお祝いしなかったんだよー」


そういえば、周りの奴らは1ヶ月記念日とか言って、定期的に記念日祝ってたな。


「クリスマスとかバレンタインはクラス会とかで一緒にお祝い出来たけど、デートだってなかなか誘えなくて……」


言われてみれば、そうだ。


俺達、まともにデートすらしてなかった。