「だったら」


「でも、雅紀はどうなの?」


え?


「このまま、あたしと付き合ってていいの?」


白石?


「あたしが告白した時のこと覚えてる?」


ゆっくりと体を起こしながら言う白石。背中についてしまった芝が、ヒラヒラと離れていく。


「も、もちろん」


「じゃあ、あの時雅紀が言った言葉……覚えてる?」



─────あのさ、付き合ってから好きになんのもアリ?



あの曖昧なセリフを言ってしまったことを忘れる訳が無い。


「今まであえて聞かないようにしてたんだけど、やっぱり気になるから……ハッキリさせたいから、聞くね?」


白石を追うように、俺も自分の体を起こす。


「雅紀の心の変化……あった?」


白石は顔を見せずにそう尋ねた。


「雅紀のことが好きだから、あたしなりにいっぱいアタックしてきたつもりなんだよ、これでも。でも、雅紀はいつも隣にいてくれるだけで、何も言わないから……あたし、勝手に浮かれちゃってるんだよ」