「おっ、優男だね」


ありがとう、と言いながら俺のブレザーを膝にかける白石。そんな白石を見て、白石の隣で同じように俺も大の字で寝転がった。


「膝にあたしのブレザー使う?」


「俺、ズボンなんすけど」


「冗談だよ」


こんなしょうもないやり取りさえも、コイツとだったら笑えるんだ。


「雅紀、何の絵描いたの?」


「あー、花と景色。あとは」


「そんなに描いたの!?」


「だって、佐々木が何枚でもいいって言ってただろ?」


「言ったけど、あたしは1枚描いてみんなと話してたよー」


おぉ、想像つく。


「白石は何描いたの?」


「よくぞ聞いてくれました!」


そう言った白石は上半身だけ起こして、芝生に置いていた自分のスケッチブックを取り、ページをめくって俺に見せた。


「じゃじゃーんっ!」


そこに描かれていたのは、俺。アニメみたいにキラキラした目をしている俺だった。