「相手してっだろーが」
「あたしが雅紀のところに来たら、話に相槌打ってくれるって感じで、雅紀からはあたしの元になかなか来てくれないじゃ~ん」
そ、それは。
「まぁ、雅紀と話したくて、あたしからグイグイいっちゃうんだけどね」
ふふっと笑った白石。そよ風が吹いて、前髪が少し浮いておでこが露になる。
告白をしてきたのは、白石だった。ある日の放課後に呼び出されて、イキナリ言われたんだよな。
『もう知ってると思うけど、好きです。雅紀くんの彼女になりたいです』
そりゃ、白石から俺へのアタックは校内でも有名だったから、俺も少しずつ白石の気持ちに気づいていた。
白石のことはクラスメートってくらいにしか思ってなくて、悪い奴じゃないとは思ってたけど、正直好きとかの感情とかは……なかった。
『……あのさ、付き合いながら好きになんのもアリ?』
ぶっちゃけ、白石のことは嫌いじゃなかったし、ココで振るのもなんだかモヤモヤして、そう聞いたのを覚えている。