「あっ、中園くんもヤッホー!絵書いた?」
「まだ真っ白~。どっか別なとこ行くかな」
意味深な笑みを浮かべる中園。
「ココにいてもお邪魔みたいだし?他のとこでも行って、描いてくる~」
下手な退散の仕方に、胸の中で笑ってしまった。もっとフツーに退散しろっての。
「中園くんに申し訳ないことしたなー」
「大丈夫だろ。ココ座るか?」
中園が座っていた場所を2回叩く。
「ううん、今はこっちの気分~」
そう言った白石は、大きな木の軒下の芝生に、大の字で寝転がった。
「真剣に描いたから、眠たかったんだよね~ふあぁ……」
「……お前、パンツ見えっぞ」
「キャッ、雅紀の変態」
心配してやってんだよ、このやろ。
「雅紀も隣に来る?」
「あーコレ描いてからな」
「もー美術になったら本当相手してくれないよね。いや、いつもも相手してくれないっかー」
独り言を呟く白石。その顔を盗み見すると、少しだけ拗ねてるっぽい。