まぁ、言葉ではいくらでも綺麗事を並べられるけどな。中園に言った後にひとり、胸の中で思う。
「そうだよな、雅紀!お前の言う通りだよなっ」
あれ、案外今の言葉効いてる感じ?
「いや~、お前に相談してよかった!これでより積極的にアタック出来っぞ~」
今より積極的って、相手の女引くんじゃねーの?でも、ニッコニコしながら安心した表情を見せる中園を見ると、まぁいっかって思ってしまった。
コイツの恋に少しでも変化があるといいけど。
「それで結局、お前と白石って告ったのどっち?」
「ぶっ」
おいおい、まだその話引きずるのかよ。
「そんなの俺達を見てて分かんだろ」
「あ~たしかに!てことは、白石からだな?」
ニヤニヤしながら俺を見る中園。俺は、スケッチブックのページをめくり、新しい紙に鉛筆を走らせた。
俺は白石と付き合う前、白石から恋のアタックというものをされていた……らしい。必要以上に話しかけてくるとは思っていたけど、それがアタックされてると気づいたのは後になってからだ。