顎を出して返事をする中園。何だ、その顔。
「っと、城山は結構描いてんじゃん」
「あざっす」
ちなみに、城山とは俺のこと。
「お前、美術の態度はいいのに、他の授業中に寝んのはやめろ?いくら俺が好きだからって、美術だけに力入れ……」
「勘違いはやめてください、佐々木先生」
「え!?雅紀もしかしてそっち系か!?」
「ちげーよ、バカ」
中園まで変な茶々入れんな。
「あ、そういえば、白石も頑張って描いてたぞ」
「あーそっすか」
なんでこう、みんな白石のことを報告してくんのかな。いい迷惑なんすけど。それから、佐々木は他の生徒の元へ向かった。
「なぁ、雅紀」
「なに」
「お前、白石とどうやって付き合うに至ったんだっけ?」
「……なに、イキナリ」
「んー?気になって」
昼前のこの時間は腹が減るし、今日みたいに天気が良ければ眠たくなる。俺は小さく欠伸をする。