白石とは、同じクラスの女子。セミロングの髪を毎日巻いてるらしい。俺には寝癖にしか見えないんだけど。あ、これ本人には内緒。
そして、この白石は……俺の彼女だったりする。白石と付き合ってもう長い。そして、中園の言うように、白石から俺への愛は半端ねぇ。
「あっ、わり!もう白石にLINEしちゃった」
他の奴がウインクして俺に言う。ふざけんなよお前。全然悪気ねーだろ。
「てことは、5分も経たずに来るな。その時は俺達は退散すっから……っと、白石からだ」
スマホをいじるそいつ。ていうか、仮にも俺の彼女だぞ。目の前でやり取りされるのは……良い気はしねーな。でも、聞き耳を立ててしまう。
「なになにー?『今いそがしから跡で』だって。文字打ち間違い多くね?」
あぁ、白石のいつものことだ。急いでいる時とか特に打ち間違いが……って、何をベラベラ話してんだ俺は。
「てことで、愛しの彼女はまだ登場しねーってよ、雅紀!」
「……分かったから」
別に待ってねーから。