「1年B組、男子 有馬藍斗」











え。





まさかの、放送で呼ばれた名前はこの隣の人。





ばかにしてきた、こいつ。






私は有馬を横目で睨んだ。←呼び捨て







---パチッ





え、今、目合った?




き、気のせいだよ…ね?





うん、気のせいだ…。




うん。






もう有馬のことは考えないようにしよう。




それがいい。





クラスの女子はキャーキャー騒いでて、どっからあんな声が出るのか知りたい。




やっぱり有馬はモテるんだな。




尊敬す……しない。





誰があんなやつ。





あーもーイライラするから終わり。





よし、次は女子女子。





有馬と一緒に生徒会とか、女子嬉しいだろうね。





私は絶対に嫌だけど。






「べーっだ」








小さな声で、言ったつもりだったのに




「なんでだよ」




有馬には聞こえてた。





くぅーーー。恥ずかし。





もう無視無視。





早く放送流れろー。









「次は女子です」




お、校長先生タイミングいいねー。


















「1年B組、女子 和井音結愛」






おおー。頑張ってねー。


















って、え!?









え、わ、私?






そんなの…










「いやだぁぁぁあああ!」






私は走って教室を出………






出る……








出たい……









なんで進まないの!




走ってるのに!









後ろを振り返ると




「え?」





なんで有馬が私の腕を…







離せ!





有馬の手を払おうとするが1ミリも離れない。





「は、離して」





「逃げるから嫌だ」







え、え、




神様、助けてください。






あからさまに寝起きの有馬。





地味な私が選ばれたことへの怒りむき出しの女子たち。





そして、







教室からはやく出たい私。





いつまで掴んでるのよーーー!








「放送室、行くんだろ」






あ、ああ。はい。





そうでしたね。






はい。


行きますよ。