「バカなこと言ってんじゃねーよ
どこをどう見たら男なんだよ」
そう言い睨みつけていると立ち上がりながら服を脱ぎだした
「何の真似だ?」
冷静さを装いながら聞いた
兄の裸なら見たことがあるし大丈夫だと言い聞かせたが
あまりの出来た体に見入ってしまった
「俺は脱いだぞ…
お前も脱げよ…」
小さい子が悪戯するときのような光を目に光らせながらこちらを見ている
脱ぐと女だとバレるからまずいと考えた俺は何も言えずにいた
ただ、緒方先輩を睨むことしか出来なかった
「男なら上くらい脱げるよな?
どうした?お?」
挑発的な口調で脱ぐように言うけど脱げず黙り込んでいるからイラついたのだろう
こちらに詰め寄ってきて手首を取り手を頭の上の壁に押し付け目の位置も合わせて低く言った
「女が男の格好してんじゃねーよ」
でも俺は
「俺は男だ
よく見ろ制服だって男物だろ⁉︎」
するとさっきよりも苛立った様子で俺の服に手を掛けネクタイを取り、ワイシャツの第一ボタンを取り、二個目も取る
わざとらしく一つづつ上から順番に音を立てて外していく
どんなに抵抗しようともがいてもビクともせず、だんだん見えてくるのは男の格好の時にバレないようにと巻いたさらしが見えてくる
カッと頬が熱くなるのが分かる
緒方海は面白そうにボタンを外し終わり耳元で囁いた