「あや?
田中彩美?」


そう聞くと
苦しそうに頷きこちらを伺う


「あやは大丈夫だって言ってたけど
大会近くだったのに大会も棄権して今はリハビリ状態だ」



その言葉に私の眉がピクリと動いた


あやとは昔からの幼なじみと言う奴で
あやはバレー部のエース
今度の大会に優勝したら選抜で選ばれると張り切っていた


……………なのに…



「私!!
……………っ…!………」


行くといい掛けて口を詰むんだ
私は理事長、私は理事長、
そう心にとどめて



「ごめんなさい!
あやのことも心配だし、大会の事も怒りたい
……けど………


………無理なの………
ごめんね
本当に、ごめんね
私は、………私はっ!!」



そこまで言うと明石君が
手を出して



「分かったよ
俺の方こそすまなかった
理事長……だもんな……………
あの頃とは、違うもんな…………………」



俯きながら歩いていく
その後ろ姿にごめんね、と言いながら教室へと戻った