「先輩!!」
大きな声で言いながら生徒会に入ると



「お前か………。」
いつになく冷たい先輩にいつも通りに接しようと思い



「お昼、一緒に食べてもいいですか?」
そう言うとまた


「なんでだ……………?」
そう言ってきた



必死に不安を隠そうと
「なんでって、、、、、
先輩、それ理由必要ですか?」



冗談混じりに言うと
「黙れよ!!
何か今日イラつくんだよ
そのヘラヘラとした態度とか!!
いつも笑ってると思ったら泣いて、


名前まで偽って、
まだ何か隠してんだろ!
何かイラつく!!」
そう言われて
冷静に



「それって、ただの…
ストレス?違うな、自己満?違う、
…………あぁ、あれだ
八つ当たり、」



そう言うと先輩はまたイラついたのか
胸ぐらをつかみ壁に押し付け間近で



「うるせぇよ
黙れって言ってんだよ!!
俺の事なんて好きでもねぇくせに好きとかほざいてんじゃねーよ!」



それを聞き昔の不良癖?見たいのが出てるなぁとおもっていたら
また、



「すました顔しやがって…………
聞いたんだぞ!!
お前が…………お前が…………」



混乱しているのか先輩はそこで止まった
その隙に
手を離し体も離し



「おばあ様か兄様が何かおっしゃられたんですか?」
そう聞くと小さく首を横に振り


「お兄さんはそんなこと言わない……」
そう小さな子供みたいに呟く先輩を見て可愛いなと思いながら


その言葉の意味を理解していた
「おばあ様が……………?」
そう言うとホントに小さく分かるか分からないかくらい小さく頷いた



「はぁ、
あのですね、私は社会では愛想笑いする大人たちと同じかもしれません
けど、まだ16の高校生です
不安なことの方が多いです。


名前だって偽っていたわけではなく、あれが私のホントの名前になったんです
引き取られ、名を変えられ、性別すらも変えられました
それをあなたは偽っていた…と、本当に思いますか?



私があなたとお付き合いするのも地位や名誉の為ではない!!
緒方海!!あなたが好きだから…
信じてくれなくてもいい!!私はあんたが大好きだ!!」



そう一気に言うと
少し押されたのか後ろに下がりながら



「…………すいま、せん。」
そう気弱に言うから


「大丈夫です。
怒鳴ったりして申し訳ございません
先輩、」



そう言うと
「…………ホントに、ホントに好きなの?
信じていいの?
俺は……………っ
君の不安を…………っ拭えるの?」



辛そうに言う先輩はまるで何かと戦っているみたいだった
いつもは一匹狼だけど、今は捨て犬みたいだ………


そんな先輩に手を伸ばし肩をつかみ体を寄せ額にキスを落とし、先輩の顔を胸に抱き寄せた



そして耳元で
「そんなに不安がらないでください
私はあなたが大好きですから」



そう言うとムズムズと動いて顔を押し当ててきた
まだ不安なのか先輩は少し泣いている気がした



頭を軽く叩いて小さい子をあやすように
背も叩いた


私の、大好きで可愛い先輩………………………