病院について何分、何十分たったのか分からない


けど、緊急治療室の前の椅子にずっと座っていた
中から出てきた兄さまを見て少し安心した



出てきてから何時間も目を覚まさない…



「兄さま…」
手を取り小さく言った
私と兄さましかいないこの部屋。
まるでこの世界には二人しかいないみたいだった


だから、兄さまが死んでしまったら私は…



『ガラッ』
ドアが開く音がして慌ててそちらを見た
するとそこには先輩がいた



「せんぱい……」
力なく言った私の元へと来て兄さまを見た
そして私を抱きしめて言った
「お兄さんはきっと目を覚ますよ
大丈夫。」



そう言ってくれたのだった

何時間もたった…
外は暗く、もう12時を過ぎててもおかしくない…


そんな時だった
「……………んん……………………………」



「…っ!
兄さま!」
そう言い兄さまの顔を見ると目が空いていた



あまりの嬉しさに涙が滲んだ
ポロポロと涙を落としながら
「兄さま…
良かった…目が…覚めて…」
そう言うと私の頬を触り掠れた声で



「夢乃かい?
大きくなった…
俺は一体どの位寝てたんだろうね?
父様と兄様は?」



そう聞かれて少し俯くと頷きながら
「そうか…
辛かったね…ごめんね…
もう、一人にしないからね…」


うんと頷いて兄様を気遣いながら抱き上げた
そして先輩に医師を呼ぶように頼んだ