先輩が好きなのは変わらない…
でも今は『私』としてじゃなくて『俺』として生きていかなくてはならないから…



先輩に会ったら笑顔で何でもないように挨拶をした


声を掛けられたら他の人と同じように接した


理事長の仕事の時も、理事長の務めをキチンと果たした


いつものように過ごしていた
ある日のことだった



その日は仕事もなくて学校も休みだった
『コンコン』
ドアの音と共に姫華の声が聞こえた
「純くん
入ってもいい?」


俺はその声を聞いて慌ててカツラをつけて扉の前に行って開けた
「どーしたの?
なんかあった?」
そう聞くと

「聞きたいことがあって…」
少し戸惑ったようにそう言った
俺は微笑みながら
「俺に答えられることならなんなりと」
そう言うとじゃあと言って


「……実はね…私、気になる人が出来たの…」
内心えっ?と思いながら
うんと頷いた
「それでね…
その…あのね…えっと…」
少し戸惑っていたから


「落ち着いて、まず、誰なのか…
って聞いてもいいかな?」
そう言うと頷きながら
「……とくんなの
…はしもとくんなの……………/////////」
照れながら言う姫華を見て目を見開いて固まってしまった



俺もこんな風に言えたらいいんだろうか?
姫華になら女だって言ってもいいんではないか
それと橋本がモテるとわ



姫華は俺が来る前は不登校で登校拒否を両親に言っていたらしい
俺が来て同い年だと知って一緒に学校へ行こうと思ったらしい
顔は上の下くらいで可愛らしい



女の俺から見ても可愛いなぁとか守ってあげたくなるような子だ
そんな事を考えていると
「純くん
きーてる?」
そう言い顔を近ずけてきた



少し後ろに引きながら
「うん、聞いてるよ
いや〜だってまさか橋本だったとはと思って
驚いてただけだよ」
そう言い横の髪を耳にかけてあげた


すると顔を赤らめて
「あと、もう一つあるんだけど」
そう言うからうんとさっきのように頷いたら
「この髪を触ったり手の甲にキスをしたりするのって何でかな?」

少しためらいがちに言った姿が可愛くてつい笑ったら
「えっ?何で笑うの?
………でも…えっと…
嫌なわけじゃないんだよ?
けどさ、何か
えーっと、ほ、ほらっ‼︎
はずかしいしゃない?」


なんて必死なところも可愛かったからついまた笑ったらオロオロし始めてさすがに可哀想だったから
「癖なんだ
海外によく住んでたからさ」
そう言うと


「あぁ〜なるほど///
だよね…
あっ、単に気になっただけだよ?」
なんて最後は気を遣った言葉を言う
あぁ、と言いながら頭を撫でていると


「あの、本題に入ってもいいかな?」
そう言われたから
「ああ、ごめん
良いよ
橋本のことだよね?」
そう言うと照れながら頷いた


「純くんいなかったときあるじゃない?
お祖母さん家に帰ってた時?
あの時に先生があんまり詳しく話さないから
みんな凄く心配してたの

何かあったんじゃないか〜って
その中でね、1番心配してたのが橋本くんなの
元々顔もいい方だし、
でも皆んなから人気あったから話しずらかったんだ

けどね橋本くんが純くんいつ帰ってくるの?って何回か聞いてきてね
答えられなかったんだけど
優しいんだなぁ〜ってなって
何かカッコいいなぁって思い始めて…///」
そこまで言うとこちらをチラッと見てきたから



「あぁ、あいつはいい奴だし優しいと思うよ
橋本だったら…」
少し考えて浮気とかのことや付き合ったらのことを考えたら
「姫華…
やめたほうがいいんじゃないか?」
と言っていた



姫華はキョトンとして?マークを頭に付けながらこちらを見ていた
だから
「あいつよく考えたらいや、よく考えなくても
浮気とかしそうだし、もし姫華と付き合ったら俺なんか橋本に殺されそうだし…」


そこまで言うと姫華はフッと笑った
次は俺がキョトンとして姫華を見た
「純くん面白いね
そこまで考えるなんて…
もしもだよ?もし、私が付き合ったら純くんどうする?」



不安そうに聞かれて少し驚きながら笑って
「祝福するよ
心からね」
そう言うと
「でも、まだ告白もしてないし
分からないけど…」
なんてまた不安な顔になったから

顔を上げて前を向かせて目線を合わせて顔を近ずけて言った
「告白…しよっか」



すると目を見開きだんだん笑顔になりながら
「うん‼︎」
と大きく頷いた