ここにいた人にはほとんど挨拶を済まし部屋へ戻った



お世話になるのは私だけで、相馬さんと相馬さんの奥さん、相馬さんのお母さんにお父さん、相馬さんの子供で同い年の女の子、南姫華さん



と、過ごすことになった



今日は夕食まで部屋を出ずに荷物を片ずけていた



夕食時



「純君」


そう唐突に呼ばれて返事が出来ず顔を上げて首を傾げた
すると声を掛けたのは相馬さんのお母さん、いわゆる姫華のおばあちゃんだった
みんなが苦笑した



「純君、ご飯の味はどう?」



優しい声で問われなんだか切なくなった
けれどそんな素振りも見せずに笑顔で


「美味しいです」
と、答えた



それを聞き安心したのらしく皆が安堵の息を漏らした



温かい家庭、温かい食事、愛のある家族、私にも昔あった


母が温かいご飯を作り、父が温かい家庭を築き、兄や両親が愛情を注いでくれた



羽鳥家の後継ではなく1人の女の子として育てられた
温かい……………



………………………暖かすぎる………記憶…………………