そのとき、近くの家から見知った人物が出てきて、思わず足が止まりそうになる。
制服姿のハルだった。
中学生にしては遅い登校時間。
ハルは私と流生を比べて、バカにしたように笑った。
「好きだと言っても、所詮その程度なんでしょ?」って。
そう言われてるみたいで。
無性に腹立たしかった。
私は流生のもとまで戻り、やつの腕を掴んで無理やり引っ張って歩く。
ハルの横を通過する際も、ハルの方は見ないようにした。
「彩の知り合い?ずっとこっち見てきてるよ、あの子」
「知らない!」
バカにされてるんだよ、流生。
浮気を繰り返す彼氏に、なんだかんだ言ったって好きで別れられない彼女。
このジレンマみたいな関係を、ハルは笑ってるんだ。