あんな浮気野郎でも、私の好きな人に変わりはないから。


だから別れられないんだよ。



そう答えると、ハルはつまらなさそうに


「ふぅん」


とだけ呟いて、そっぽを向いてしまった。



「あー!恥ずかしっ!私、ハル相手に何言ってんだか……」


「……」


「今の忘れて!」



顔を覆い、おそらく赤くなっているだろう頬を両手で隠す。


ハルは一度だけこちらに視線を寄越して、けれど何も言わずに、机の上に広げられたノートを閉じた。



「え?」


「今日はもう勉強終わろう?彩さん。俺、小腹が空いたな」