あんな浮気野郎でも、私の好きな人に変わりはないから。
だから別れられないんだよ。
そう答えると、ハルはつまらなさそうに
「ふぅん」
とだけ呟いて、そっぽを向いてしまった。
「あー!恥ずかしっ!私、ハル相手に何言ってんだか……」
「……」
「今の忘れて!」
顔を覆い、おそらく赤くなっているだろう頬を両手で隠す。
ハルは一度だけこちらに視線を寄越して、けれど何も言わずに、机の上に広げられたノートを閉じた。
「え?」
「今日はもう勉強終わろう?彩さん。俺、小腹が空いたな」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…