あたしたち2年3組の教室は、校舎の3階、東側トイレのそば。
トイレの角を曲がると理科室が4つと、理科準備室がある。

コンコンっ
あたしは、理科準備室の前にいる。
「はーい」
準備室の中から、返事がした。
いつもの声、安心する声、あたしが大好きな声...
ガラガラっ
「失礼しまーす!」
あたしは勢いよくドアを開けた。
すごく冷たい風があたしの身体に当たる。
「さむーっ」
あたしは思わず両手をさすった。
「そうかなー?先生にはいいくらいだけどなあ」
みなさんそうゆうよねー...と、彼は不思議そうにゆった。
あたしの目の前でキーボードをカチャカチャと打っている彼。
分厚くて、すらーっと長い綺麗なて。あたし...好きだなあ。
彼の手に見とれていると、その手が急に止まった。
そして、キーボードを打っていたはずの手が、キツネの形になる。
ふぇ?
そのキツネのは口をパクパクさせて、
「もうすぐクリスマスってゆーのに、こんなオヤジのところきて、どーしたんですかー?」
そういった。
目線を彼の顔の方に向けると、あたしと目があって、にこっと笑った。
「どーしたの?」
彼はあたしにもう一度きいた。
「せんせ〜い!」