インターフォンを押し、待つオトコを見守るオレ。


もしかしたら、オレの見間違いかもしんねぇ。


角部屋なのは、確実なのに〝チガっていてほしい〟という願望。


だけど、オレの願望は見事に、うち破かれた。


中から出てきたのは、間違いなく陽美で。


オレの位置から、オトコの顔は見えないが、陽美の顔はしっかりと見えた。


最初は驚いていた陽美だったが、そのうち笑顔になった。


そしてオトコが陽美の頭をポンポン、としたあと陽美が照れたような怒ったような表情(かお)をし…そして、二人はそのまま部屋に入った。


あぁ…完全、終わったな。今から陽美の家に行く勇気はない。


あの場ですぐに返事をしなかった、オレが悪いんだ。