まぁ、中には苦手な人もいるんだろうけどさっ。


「それは〝オトコの人〟も、そうなの?」
「え?」


留里ちゃんの言葉に、口に運ぼうとした二口目のカルボさんを持ったまま固まった。


「いや、はるるんって〝男性経験〟少ないんでしょ?ウチの会社に入ってから、すぐに仲良くなったけど、はるるんのそういう話、一度も聞いたことないし。スキになったらオトコの人も、ずーっとスキでいられるのかなぁ、って」
「あー…」


実際、どうだろう。高校生の時に付き合った彼氏は、もちろんスキで付き合ったけど、いわゆる〝そういうこと〟が、できなくて振られた。


だから〝スキ〟というよりは、〝申し訳ない〟という気持ちのほうが上で、今でも〝忘れられない〟というよりは、あの頃の自分はダメだったな、という思い。


かと言って、今タイムマシンがあったとして戻れたとしても多分今のわたしでも、逃げ出しちゃうような気がする。


あれ?それって、ホントにスキだったのかな、彼のこと。


いや、でも間違いなくドキドキしてたし、キ…キスした時だって、ゆでダコになるくらい恥ずかしかったし、ちゃんとスキだったハズ。


「どうなんでしょうね…。オトコの人は、べつなのかな」