今にも泣きだしてしまいそうな空を見上げ、私は足早に家路を急いだ…その空は私の心を映すかのように悲鳴をあげているように見えた…そぅ、私はあの日を境に笑う事、楽しむ事、生きる事さえもどおでもよくなってしまった。
あの日…それは最愛の人と出逢い、終わりなどないと信じていた…
東京に上京した頃一人の男性を愛した。溶けた。死んだ。彼と出逢ったのはせみの声が耳にまとわりつく、そんな季節だった。