泣きそうになった。



この顔は見せれないなぁ…。
俺は茜ちゃんの肩に顔を埋める。
ダメだ。ダメだよ、茜ちゃん。


「ちょ、りゅ、リュウ君!?」

焦った声が横から聞こえた。

「なに」

俺は少し素っ気ない感じで答えた。
けど茜ちゃんは「なに、っじゃない!!そろそろ離してくれたら嬉しいんですけど」なんて言ってくるから「やだ」って断ってやった。
だって今の顔は絶対に見せられない。


でもちょっと肩に力が入ってるなぁ。
まぁ、そりゃそうだよね。イキナリこんな事されたら困るか。

「なぁーんて、僕は茜ちゃんを困らせたりはしないよ」と言いながら離れた。


けど、

「あはっ、茜ちゃん可愛い。顔が真っ赤だ」

タコみたいに真っ赤な顔をした彼女があまりにも可愛くて、可愛くて、頭を撫でた。