何なんだ、この子。


「もう、いいよ。ありがとう。ありがとう、茜ちゃん」

俺は何故か胸が痛くなって、思わず抱き締めてる腕に力が入る。


「リュ、ウ君…」と、動揺したような声を出していた茜ちゃん。


「そんだけ沢山聞けたから、もう、いいんだ」
うん。これは本当にそう。沢山言ってくれた。俺の事ちゃんと見てるって言われた気がした。


「まだ他の事、言ってない」
なんて言うから俺は「まだあるの!?茜ちゃんはサービス精神旺盛だなぁ」って笑ってしまった。


「リュウ君は、あたしとサクにとって大事な人だよ。それだけは誰が何と言おうと譲らない。例え、リュウ君が誰かにいらないって言われたとしてもだよ。あたし達にはリュウ君は必要な存在。あたしにとってのリュウ君はそんな人だよ」

……。
どうして…。どうして君は…。


「もーっ!!これだから俺、茜ちゃんはダメなんだよ!!」と、俺は抱き締めたまま、そう叫んだ。
ホントにもうヤダ…。


俺は多分このままだときっと…。