リズと一緒に事務室に向かい、そこにリズを残して前回同様シャスと一緒に現場に向かう。
途中で班長から事件の概要が通信で伝えられた。
商店街のほぼ中心にある服飾店で、客に紛れて入ってきた男性型ヒューマノイド・ロボットが、店内にいた女性客を人質に店を占拠し立てこもったらしい。
店内にいた者は、人質を残して全員外に退去させられたので、店主が外から警察に通報した。
犯人の要求は未だにないという。
現場の服飾店は、この間リズと買い物に行った商店街のメインストリートに面して入り口を構えている。店のすぐ横に裏通りへ通じる路地があるので、角地にあった。
周辺の道路は封鎖され、店から少し距離を置いて警察車両や大勢の捜査員が周りを取り囲んでいる。さらにその周りを、平日の昼間だというのに大勢の野次馬がひしめいて騒然としていた。
事件が起きれば野次馬が集まるのは異世界でも同じらしい。おまえら仕事しろ。
ひしめく人垣の中に各所から飛行装置で急行してきた捜査員たちが次々に降りてくる。オレもシャスと一緒に着地すると、ちょうど車で急行してきた班長と一緒に、どういうわけかリズが降りてきた。オレの姿を認めたリズはニコニコしながら手を振る。
オレは思わず駆け寄った。