この場所に立つと思いだしたことがあった。

何となく私を見ている人がいたことを…

でも、恥ずかしくて、いろんな人が見ていたから下ばかり向いていたし。

でもその視線はなぜだか暖かい気がしていたから。

きっとその視線の持ち主は幸樹さんだったんだと思った。


「美咲。ここでやりたい。どう?」


『うん。うん』


うんしか言えなくて。でもそれでも私の気持ちを分かってくれたみたいで。


「美咲思い出した?なんてね。
 でも、ここから俺の気持ちは始まった。
 だから、この場所で二人揃って始めたい・」


『よろしくお願いします。』


幸樹さんにそう告げると、そのあとは本当にあっという間だった。

会場はやはり大きな場所を抑えなくてはならなくて、


ドレスや引き出物…幸樹さんが二つに絞ってくれたので私は選びやすかったし、失礼なこともないと思う。