私に気がついたようで、運転席から出てきたのは…幸樹さん。
自分では気がつかなかったのか…気がつないようにしていたのか…
私は会いたかったみたいで、顔を見た瞬間…
幸樹さんに向かって走り出していた。

そんな私をみた幸樹さんはすぐに両腕を広げて、走ってきた私を抱きしめてくれた。
私が言葉を発しようとしたとき…
「美咲…会いたかった。
 俺、充電切れた。ちょっと充電。」

そんな言葉に私の心は満たされていく。
これが愛おしいということ。
これが愛されると言うこと。なんだと。

どれくらいそうしていたのだろう…
幸樹さんの力が緩んで、私たちは目を合わせた。

「俺の美咲だ。
 ただいま。」

その言葉を聞いた瞬間、私の瞳からは涙がこぼれた。

「美咲も俺にあいたかったか?
 かわいいな。」
そう言って、幸樹さんは私を抱きしめながら車に誘導した。