『あの…確かに美和が背中を押してくれたし、
 実際最後のボタンを押してくれたのも美和ですけど…
 電話をしようって最後の判断したのは…私です。

 美和に…頭の中に男性の顔を思い浮かべてって言われて、思い浮かべたら、その…
 霧島さんに最後に会った時に見たさみしそうな顔でした。
 それを思ったら、笑顔が見たいなって思って…

 あっ。すいません。生意気なこと言って。』


「そっか…俺も一番に思い浮かぶ女性の顔は美咲ちゃんだよ。

 この前そんなにさみしそうな顔してた?
 きっと、心の中と口が違うこと言ったからかな?
 
 でもさっ。美咲ちゃん…  
 今美咲ちゃんが言ったことって…俺にとってはすごい事なんだよね。

 あの…あーーーー電話で言うことじゃないよな…
 あのさっ。美咲ちゃん今どこ?
 今から会えない?っていうか会いたい…」


『いっ今からですか・・今美和と一緒にいつものお店にいるんです。』


「いつものってあの個室があるところ?
 じゃあ、桐生も呼ぶから、みんなで会おっか…
 即効行くね。絶対動かないで。
 お願いだよ。じゃあ後で。」


霧島さんは一方的に言うだけ言って電話を切ってしまった。

私は、はいともいいえとも言えず、ちょっと放心状態。