美咲。じゃあさ、今頭の中に一人だけ家族じゃない男性を思い浮かべて。」


私は、父ではない男性を思い浮かべようとした。


そこに出てきたのは…霧島さんの別れ際にみたさみしそうな顔だった。



「美咲…誰の顔が浮かんだ?部長の顔だった?同僚の顔だった?
 ・・・違うよね。霧島さんだったでしょ。
 会って話したのは数回だと思うよ。よっぽど会社の男性陣のほうが会っているよね。
 それでも、美咲の頭に始めに思い浮かんだのは…霧島さんだったでしょ。」


美和は私の頭の中が分かるのだろうか?

美和の言うとおり、私の頭の中に浮かんだのは霧島さんだったけど…