「いやいや、違うよ。ただ性格が合わなくてね?」

「…そっか」


まだ納得いかないらしかったが、どんどん暗くなる私の表情を見てみんなは急いで話を変えた。


「咲ちゃんって本当に可愛いよね!」

「え、ありがと」


何の悪意も無い笑顔で話されると、思わず私も笑みを浮かべた。


「笑ったらさらに可愛いね!!」

「そんなことないよ、でもありがと」


こういう、普通の女子高生っぽいのもいいな。


「本当に、東雲君とお似合いで「ちょっと!!」


うっかり、という感じで言葉を漏らした子に横の女の子が止めに入った。

そんなに、晴也と私って印象が強いのか…


「咲ちゃんってカラオケとか行く?」

「カラオケは、行ったことないなー…」

「今日、行かない!?このメンバーで」

「私は、いいけど」


そう返すと、みんな口々に「行く!」と言い出して店を決めるのも一苦労だった。

結局決まったのは、あのマンションの近くの大きな部屋のあるお店。

楽しくなかったわけじゃないけど、どうしてもはしゃぐことは出来なかった。

考えないようにしようとすればするほど、頭の中が晴也で埋まる。