「舐めてんじゃねーよ?」


SHR終了後、想定内だが柏木率いるメイク軍団に囲まれた。

前の学校では、こんなことをしてくる子達はいなかったから少しテンションが上がる。


「こんな時期に転校してきたのも、前の学校でいじめられてたとかいう理由だろ?」

「そう思いたいなら勝手にどうぞ?」


どこまでも余裕そうな態度を取ると、メイク軍団は舌打ちをして去って行った。


「大丈夫か?」


前の席の男子が、椅子ごと身体を私に向けて尋ねた。

これまたスキンヘッドの柄の悪そうな見た目をしている。


「お前、よく可愛いって言われるだろ」

「は?」


顔も見えていないはずなのにそんなことを言ってくるなんて、最近のナンパ男はレベルが高いな…と思っていると、サングラスを指さされる。


「サングラス越しでも目は見える、目を見ればなんとなく顔の雰囲気は分かる」

「…」