二人の間に沈黙が続く。

段々、体に力が入ってきた。

だが、晴也の力もさらに強くなってくる。


「離して」

「無理」

「無理な理由が分からない」

「今離したら、もう戻ってこない気がする」

「いいから、離せ!」


晴也を突き飛ばして屋上を飛び出した。

廊下では生徒とも教師ともすれ違わなかった。

みんな芹那のところにいるのだろう。

芹那のところについたら、私はどうしたらいいんだろう。

謝る?

それが何になる。

救急車を呼ぶ?

すでに誰かがしてる。

生死を確かめる?

死んでる可能性なんて考えたくない。