「うん、もちろん!だから、ね…?」


それを聞いて、芹那はゆっくりとこっちに近づいてくるが、晴也はそれを見て舌打ちをした。

おいおい、死んだら困るだろ。許せ。

私はフェンスを越える時に手を貸そうと芹那に近づいていく。

フェンスを登るのに悪戦苦闘する芹那を見兼ねて私がフェンスに登った。


「咲!!」


晴也の怒鳴り声に、何?と振り向こうとすると体全体に強い風があたった。


「おっと!」


フェンスの上でバランスを取り、ギリギリなところで体制を取り直した。


「きゃっ!」


私の下から聞こえた芹那の悲鳴にハッとした時には芹那の体は半分以上が屋上の外に出ていた。

ヤバい。

私はフェンスから芹那を守ろうと飛び降りようとしたが、体は強い力によってフェンスの中に引き戻された。

見えなくなった芹那の体に、私は肩と足の力が抜けたが、体はまだ強い力に支えられている。