どうして、私を好きになるか…?


顔は…ブサイクじゃないと思うけど、この子には敵わない。


財力、は…自信がないな。


性格は?性格なら…



「性格がいいなら、なんで晴也が嫌がってるのに無理矢理近づくの?」



嫌がってる?

そんなわけない。

あれは、この子に脅されてるから…



「私の方が…晴也君を愛してる!」

「愛、ね…どういうところを?」

「それは…王子様みたいに優しくて」


許婚は少し顔を暗くした。


「顔も、王子様みたいにカッコよくて…頭もいいんでしょ?先生が言ってた。それと…」

「もういい」


許婚が機嫌が悪そうに私の話を遮る。


「あなたが、晴也の何も知らないことが分かった。なのに愛してるとか…ふざけないで」


その後長く続いた沈黙を破ったのは、昼休み終了のチャイムで

私は大人しくクラスに戻った。

何を知らないっていうの?あなたは何を知ってるっていうの?

私には…晴也君しかいないのよ…