「あれ、晴也君…は?」


昼休み、懲りずに教室に来た芹那。

晴也がいないことが分かると視線を私に向けた。


「晴也君は?」

「家の用事で早退」

「ふーん…家ってどこ?」


なんか、いじめられてる時のビクビクしている芹那でも晴也の前での弱々しい芹那でもない。

なんか、強気な…上から目線っていうか…


「ごめん、教えられないや」

「…そんなに私に晴也君を取られるのが怖い?」


怖い?

それはない。


「取られるわけ、ないから」

「なんで…そんなに自信があるの?」

「逆に聞くけど、どうして晴也があなたを好きになる可能性があると思うの?」


強気で来られると、思わず強く返してしまう。