「お、おはよ…」

「おはよう」


芹那からの挨拶に無愛想にだが答えた晴也。

芹那は嬉しそうに笑うと、晴也の服の裾に触れた。


「離して」


晴也はそれを叩き落とすと、歩き出した。

私は黙ってそれについていく。

芹那は…どうせ私を睨んでいるだろうから、見ないでおこう。


「怒らないでよ?あの子の想いには答えられないし、冷たくして諦めてもらうのが一番いい」

「…うん」


いじめられているところを何度も見ていると、どうしても可哀想になってくる。

あの子が好きになったのが晴也じゃなければ応援できるんだけど…