「あ、あの…」

「あら、まだ諦めてなかったの?あなた」


いつも強気な礼奈がビクビクしながら立っている。

その正面には冷たい目で礼奈をジッと見つめる女が。


「諦めるつもりはありません。私には悠哉しか…」

「汚らしい子が家族になるなんて、私は耐えられないわ。この子はただでさえ私の顔に泥を塗っているのに」

「母さん…」


情けない顔で立っている礼奈と悠哉。

今の二人の目には、まだ、あの少女という光は見えていない。