寝てしまったのか?と私は恐る恐る部屋から出ると、リビングに向かった。

テレビの前のソファには、晴也が横になっている。


「晴也…」

「……んっ…」


起こしたか?と身構えたが、晴也は体制を変えただけで目覚める様子はない。

寝顔も整ってるよなぁ…

晴也は顔も良いし頭も良いし仕事も出来る。

他の企業でも後継者に晴也が欲しいと思っているところは少なくないだろう。

今はウチと結婚するのが最善だろうが、それが無かったら?

他の企業の方が上に上がってきたら?
ウチの会社が倒産したら?

晴也は、離れていく…?

そんなの嫌だ。

そばにいて欲しい、離れないで欲しい。


そんなワガママも喧嘩中じゃ言えない、もし喧嘩中にウチが倒産したら?

そう考えると本当に怖い。

私は…晴也依存症なのかも知れない。