「ただいま…」

「おかえり」


返事は無い、と思っていたのになぜか返ってきたそれに

私は嫌な予感がした。

声と顔からしても、明らかに機嫌が悪い。


「お早いご帰宅で…」

「死ぬ気で終わらせた」

「えっと…なんで?」


私に会いたかったわけでは無さそうだし。


「本家から連絡があった」

「もしかして、緊急連絡?」

「そう、何があったの?」

「えっとね、誘拐されそうになったんだけど…朱炎の人に助けてもらっちゃって」


「へぇ…」


聞かれた通りに答えたのに、晴也の回答は素っ気ない。


「俺に連絡は?」

「仕事で忙しいだろうし」

「何を置いてでも助けに行くって言ったじゃん。記憶に無い?」


なんか、言葉に棘がある…