「袋叩きはやめないわよ!」


わぁ…私、袋叩きにされるのか。

特に動きは封じられてないし向こうは武器を持ってない、私にも勝ち目はあるだろう。

向こうがやるっていうならこっちだって


「お前さ」

「ん?」

「俺のこと騙した?」


圭吾の突然の問いかけに首を傾げた。


「騙したって?」

「この前俺に、嘘ついたか?」

「嘘は……ついたかも」

「どんな?」

「この学校の人が怖いって」

「それで全部か?」

「うん?」


すると圭吾は礼奈ちゃんに向かって頭を下げた。


「何やってんの?圭吾?」

「頼む!こいつに何もしないでくれ!」

「「はぁぁああ?」」


私と礼奈ちゃんの声が重なって礼奈ちゃんからキツく睨まれた。


「今の会話でなんでそうなったわけ!?」

「俺、この間約束したんだよ。守ってやるって」

「でも、騙されたじゃん」

「それは俺だってムカっときたよ!でもさ?一番ヤバいこの状況で嘘ついたってこと正直に言ったから、俺はこいつはいいやつだと思う。だから約束は守る」


言ってることはめちゃくちゃだけど、圭吾はさっきも私を助けてくれたし、優しいんだろうな。バカだけど。


「私は納得いかない!」

「礼奈、もういいだろ?」

「悠哉はそれでいいの?私は気が済まない!!」


発狂している礼奈を見るのは楽しいが、そろそろホームルームが始まる。

サボったら後で暁になんて言われるか分かったもんじゃない。

他の奴らも何も手は出してこないようだし、帰らせてもらおう。


「あ!ちょっと、何逃げようとしてんのよ!」


何も言わずに部屋を出ようとして思い出した。


「圭吾」

「ん?」

「自分ではどうにもならないことがあったら、私に言いなさい。絶対に助けてあげる。なんたって私は…無敵ですから」


ちょっと自分カッコいいなーとか思いながら廊下に走り出た。

さ、ここはどこだっけ。