「晴也君」


階段の踊り場で待ち伏せていたのは…芹那。

手には、タッパー?


「あ?」


あ?じゃねぇだろ。

肘で小突くと仕方なさそうに芹那に向かって笑顔を浮かべた。


「お礼に…クッキー焼いてきたんだけど…」


芹那がクッキーを差し出そうとすると

運悪く男子生徒が私にぶつかった。

つまずいた私は芹那にぶつかり

クッキーは床に落ち


芹那を巻き込んで階段から落ちた。


ヤバい。


せめても、と思い空中で芹那を抱き背中から二人分の衝撃を受けた。

受け身は取ったが、二人分はきつかったな…


「咲!!」


晴也が駆け寄ってくると、芹那が晴也に抱きついた。

え、待って…何この状況。


私は二人を見ながら意識を手放した。