「礼奈!」


この声は、悠哉か。

私はそっと顔を出すと、礼奈を後ろから抱きしめる悠哉が見えた。


「あれが三男」


「離して!悠哉!」

「頼むから、一人で無茶しないでくれ!」

「でも…」


ジッと私を睨む礼奈にニコッと微笑むと、礼奈の顔は真っ赤に染まった。

怒ってるなぁ。


「絶対に許さないから…」

「別に、許して欲しいとか誰も言ってないし」

「朱炎を敵に回して、タダで済むと思わないでよ」

「暴走族ごときに私が屈するとでも?」


そう聞き返すと晴也の右手を引いて歩き始めた。


「…俺、明日仕事とか全部サボろうかな。咲が心配すぎる」

「まぁ…大丈夫じゃない?」


あっけらかんとしている私に晴也は顔に疲れを浮かべたが、無視だ。