「あんたでしょ!」


学校に着いた直後、悠哉の彼女の礼奈が私に怒鳴りかかってきた。

晴也が私の前に立って「これ誰?」と聞いてきた。


「三男の彼女」

「うわぁ…」


晴也は大和グループの会長の性格を知っているから、私と同じように思ったのだろう。


「あんた!圭吾に嘘ついたでしょ!」

「嘘って?」

「朱炎なんて知らないって」

「知らないし、嘘じゃない」


晴也の背中で礼奈は見えないが、どうせヒステリックで髪を振り乱してるのだろう。