「…お前が、今週転校してきた唯一の女子だな?」

「確かに今週転校してきたけど」


学校に向かっていると、カラフルな奴に話しかけられた。

晴也が身構えるが、少し照れながら話している男に警戒する必要はないかな?と感じた。


「本当にお前が…朱炎に喧嘩売ったのか?」


なんか、こいつ人を顔で判断してるな?

朱炎って何か知らないけど、言いくるめられそう。


「私…喧嘩売ったりなんか出来ません…!何かの誤解じゃないんですか?」

「俺も、そう思うんだけど…」

「あの学校の人みんな怖くって、いつもビクビクしてるんです…そんな度胸私には…」


手で顔を覆って泣き真似をすると、相手は慌てて駆け寄ってきた。


「分かった。俺は信じるから…泣くな?怖い奴がいたら俺がやっつけてやるから、な?」

「ほんと…ですか?」

「おう!圭吾様に任しとけ!」


パァ!と顔を明るくした私に圭吾様は照れ臭そうに頭を掻いた。

朱炎が何かは知らないが、ちょろいな。

圭吾は、本当の俺らの敵を探してくる!と息巻いて嵐のように去っていった。