制服を着て鞄を持ち、音楽を聴きながら家を出る。

鍵を持ったことを確認してドアを閉めると、オートロックで鍵が閉まる。

エレベーターに乗って一階に向かうが、誰も乗ってこない。

このマンションにも同じ高校の人はいるのだろうか…


「いや、いないか」


私は学校の紹介を思い出して呟いた。

私の学校は底辺中の底辺。

バカか内申がよっぽど悪かった奴しかいかない不良校だ。

これは、面白そうとかで選んだわけじゃなく、学力の問題でここしか行けなかったんだ。

なんたって、テストなど気にせず生きてきた私。

勉強をまともにやっていたのは小学生までだ。

小学生の学力で入れる普通の学校があるわけもない。

まぁ、結果として面白そうだからいいか。


ちらほらと、同じ制服を着た生徒を見るところまで学校に近づいてきた。

私の顔を見てコソコソと話す生徒が出てきた。

そんなに興味深いか、この格好は。

私はマスクとサングラスで顔を隠している。

私の顔は知っている人は知っているから、もし私が金持ちだということや、それ以外の色々なことがバレる。

それでは家を出た意味もない。

でも、今のところバレたということもなさそうだ。